【評価/感想】神宮寺三郎 夢の終わりに|シリーズ最高傑作の呼び声高いハードボイルド名作をレビュー

【評価/感想】神宮寺三郎 夢の終わりに|シリーズ最高傑作の呼び声高いハードボイルド名作をレビュー
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こんにちは、yasuです。

「俺は煙草に火をつけた。」

このフレーズを聞いて、新宿の街とジャズの旋律が脳裏に浮かぶ方も多いのではないでしょうか。今回ご紹介するのは、ハードボイルド探偵アドベンチャーの金字塔、『探偵神宮寺三郎 夢の終わりに』です。

長寿シリーズの中でも「最高傑作」との呼び声が高く、ファンの間でも伝説となっている本作。なぜこれほどまでに人の心を掴んで離さないのか?古いゲームだからといってプレイしないのは、あまりにももったいない。

今回は、その圧倒的なシナリオの魅力と、シリーズ屈指の切ない結末について、ネタバレを極力控えながらレビューしていきます。

物語に没頭できる「ちょうど良い」ボリューム感

まずは、これからプレイする方が気になるゲームのボリュームについてお話しします。

本作のクリアまでのプレイ時間は、ボイスをじっくり聴き、テキストを読み込んでおよそ15時間〜20時間程度です。最近の100時間を超えるような超大作RPGと比較すると、数字上は物足りなさを感じるかもしれません。また、派手なアクションや膨大なサイドクエストがあるわけではありません。

しかし、これは決して「薄い」ということではないのです。むしろ、無駄な引き延ばしが一切ない「濃密な読書体験」と言い換えることができます。

上質なミステリー小説を数冊読み切るような満足感があり、社会人の方でも週末を利用して、物語の熱が冷めないうちに一気にエンディングまで駆け抜けられる。まさに、大人のための最適なボリューム感と言えるでしょう。密度が濃い分、クリア後の充足感は長編映画を見終えた後のそれに勝るとも劣りません。

Review jinguji yumenoowarini

多角的な視点が真実を紡ぐゲーム内容

本作のストーリーは、神宮寺の助手である御苑洋子の友人、永田由香のとある依頼から始まります。そこからとある事件に結び付き、神宮寺三郎の周りを複雑に巻き込む事態に発展します。

システム面での最大の特徴は、前作『未完のルポ』同様のザッピングシステムで多方面から物語の核心に迫る点にあります。主人公である神宮寺三郎だけでなく、助手の御苑洋子、そして時には他のキャラクターの視点に切り替えながら捜査を進めていきます。

「いちいち視点を変えるのは面倒くさいのでは?」と思われるかもしれません。確かに、昔ながらのコマンド選択式アドベンチャー特有の「総当り」的な捜査が必要な場面もあり、現代の親切設計なゲームに慣れていると、少し不便さを感じる瞬間はあるでしょう。

ですが、この「もどかしさ」こそが、自分自身が探偵として地道に足を使って情報を集めているというリアリティに変わります。一方の視点では見えなかった事実が、別の視点から見ることで「あ!」と繋がる瞬間のカタルシスは、このザッピングシステムならではの快感です。不便さが「没入感」へと昇華されている点は、見事なゲームデザインと言えます。

Review jinguji yumenoowarini

切なさが胸を締め付ける、極上のプレイ感想

正直に申し上げますと、この物語は決して明るく楽しいだけのハッピーエンドではありません。人間の暗部や弱さ、過去のトラウマに深く切り込んでいくため、プレイ中に心が重くなる場面も多々あります。グラフィックもレトロで、現代の美麗な3Dグラフィックとは比べるべくもありません。

しかし、その重苦しさや古めかしいドット絵の演出こそが、新宿の路地裏に漂う紫煙のような、独特のハードボイルドな空気感を完璧に作り出しています。

特に物語の終盤、全ての謎が解け、それぞれの運命が決着した時に流れるエンディング。これが本当に素晴らしいのです。
エンディングテーマが物語の切ない終わりをさらに際立たせる演出は、シリーズ屈指の完成度です。ただ悲しいだけではなく、喪失感の中にも微かな希望の光が見えるような、胸が熱くなる余韻。

「ああ、終わってしまった」という寂しさと、「この物語に出会えてよかった」という感動が同時に押し寄せてきます。古いゲーム画面だからこそ、プレイヤーの想像力が補完し、キャラクターたちの感情がよりダイレクトに心に刺さるのかもしれません。

Review jinguji yumenoowarini

総評:色褪せない名作を今こそ

『探偵神宮寺三郎 夢の終わりに』は、最新のゲーム技術や派手な演出こそありませんが、それを補って余りある「物語の力」を持っています。

システムやUIの古さは否めませんが、それは「クラシックカー」に乗るようなもの。その不自由さすらも味わい深く、プレイヤーをハードボイルドな世界へ誘うスパイスとなっています。

推理アドベンチャーが好きな方はもちろん、重厚なヒューマンドラマを楽しみたい方には、自信を持っておすすめできる一本です。切なくも美しい「夢の終わり」を、ぜひ皆さま自身の目で見届けてください。クリアした後、きっと皆さまも静かに煙草(あるいはコーヒー)を嗜みたくなるはずです。

『探偵神宮寺三郎 夢の終わりに』実況 完結!
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yasu

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YASU GAME LIFE CHANNELのyasu本人によるブログです。乙女ゲーム好きな実況者です。皆と居心地の良いストレスのない場所を作るのが目標です。今までの動画・ライブ配信のまとめだったり、日々の想いを綴ります。 ※当ブログはアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト含む)を掲載することがあります。

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