こんにちは、yasuです。
不朽の名作『ライフ イズ ストレンジ』の3年前、シアトル郊外のアルカディア・ベイで起こった「もう一つの物語」。本作『ライフ イズ ストレンジ ビフォア ザ ストーム (Life Is Strange: Before the Storm)』は、前作主人公マックスの親友、クロエ・プライスと、彼女の人生を大きく変えることになる少女、レイチェル・アンバーの出会いを描いた前日譚です。感情のぶつかり合い、家族や学校との葛藤、そして何よりも二人の特別な絆。荒削りで不安定な10代の青春を、あなたはもう一度追体験することができます。本作の魅力を、ボリューム、内容、そして熱い感想と共にお届けします!
ゲームのボリューム:濃密な物語体験とリプレイ性
『ライフ イズ ストレンジ ビフォー ザ ストーム』は、全3エピソードで構成されており、前作と比較するとコンパクトにまとまっています。しかし、その短い尺の中に凝縮された物語の密度は非常に高く、単なる前日譚に留まらない、クロエというキャラクターの掘り下げに成功しています。各エピソードのプレイ時間は、選択や探索の進め方にもよりますが、おおよそ3時間から5時間程度。全編を通して、約10時間から15時間でクリア可能です。また、クロエの特殊能力が前作主人公マックスの持つ「時間を巻き戻す能力」ではなく、相手の心を読み解き言葉で優位に立つ「バックトーク」システムになったことで、会話の選択肢が物語に与える影響がより直接的になり、周回プレイで異なる選択肢を試すリプレイ性を生んでいます。コンパクトでありながら、濃密なストーリーを深く楽しめる作品です。
ゲーム内容:怒りと哀しみが織りなす青春ドラマ
本作のゲームプレイは、主にストーリーの進行と選択、そして探索で構成されています。主人公クロエが長けている「口論」は、会話の流れを読み、適切な(あるいは挑発的な)返答を選ぶことで相手を打ち負かし、物語の展開を変えることができます。このシステムは、反抗的で短気なクロエの性格を色濃く反映しており、プレイヤーは常に彼女の怒りや悲しみを背負いながら選択を迫られます。
物語の中心は、クロエと、アルカディア・ベイで誰もが憧れる少女レイチェル・アンバーとの出会い。二人は共通の寂しさや反抗心から急速に惹かれ合い、特別な絆を築いていきます。しかし、レイチェルの抱える秘密や、彼女の家庭、そしてクロエ自身の過去と向き合う必要があり、プレイヤーは彼らの感情的な旅路を追体験することになります。学校や街を探索するパートでは、クロエが壁などに落書きをするという独自の要素もあり、彼女の心情やユーモアが垣間見えます。ネガティブ要素として強いて挙げるなら、前作の「時間を巻き戻す能力」のようなパズル要素が減ったため、アドベンチャーゲームとしてのギミックは少なめですが、その分、物語とキャラクター描写に重点が置かれており、感情移入しやすいドラマティックな体験が提供されています。
感想:痛々しいほどのリアルな感情描写と二人の絆
前作の主人公マックスとは異なり、本作のクロエは「能力」ではなく、彼女自身の生身の感情と行動で物語を切り開いていきます。その過程で表現される怒り、悲しみ、孤独、そしてレイチェルという光を見つけた時の喜びと依存心は、痛々しいほどにリアルで生々しいです。特に、亡き父への想いや、義父との関係に苦悩するクロエの描写は秀逸で、彼女がなぜ前作のような反抗的な人格になったのかを深く理解させてくれます。
レイチェルとの関係性は、単なる友情や恋愛といった枠に収まらない、お互いの人生を救うための絶対的な必要性を帯びて描かれています。二人が抱き合うシーンや、お互いの秘密を打ち明けるシーンは、画面越しでも伝わるほどの切実な感情に満ちており、彼らの絆の強さに心を打たれること間違いなしです。前作の前日譚のため、前作をプレイしていなくてもスムーズに物語を把握できます。ですが、前作をプレイしていればより、本作の深みが増します。前作を知っているからこそ、この幸せな時間が永遠に続くわけではないという予感も相まって、物語の終盤は胸が締め付けられる思いでした。この作品は、10代特有の不安定さ、友情、そしてアイデンティティの探求を見事に描き切った、紛れもない傑作青春ドラマです。
総評:前作ファン必見!荒削りな青春の光と影
『ライフ イズ ストレンジ ビフォア ザ ストーム』は、前作『ライフ イズ ストレンジ』のファンであればプレイ必見な作品であり、クロエ・プライスというキャラクターを愛する全ての人々に、彼女の知られざる内面と、レイチェルとの出会いという人生最大の出来事を深く理解させてくれます。荒削りながらも、揺るぎない絆と感情のぶつかり合いが織りなす物語の展開は、見事に『Life Is Strange』の世界観と情緒を継承していると思います。ネガティブ要素として挙げられる前作と比較すると小規模なボリュームは、この感情豊かな物語体験の前では些細なものだとプレイしていて感じました。前作を知らない方でも、純粋な青春アドベンチャーゲームとして十分に楽しめますが、前作を知っていると感動が倍増することは間違いありません。
実際のプレイ映像はこちら!
荒々しくも美しいクロエとレイチェルの物語に触れ、アルカディア・ベイの風を感じてみませんか?このレビューを読んで興味を持った方は、ぜひゲームを手に取ってみてくださると嬉しいです。今回の『ライフ イズ ストレンジ ビフォア ザ ストーム』のプレイの様子や、その他のゲーム実況は、YouTubeチャンネル「YASU GAME LIFE CHANNEL」でライブ配信しています。是非遊びに来てくださいね。