こんにちは、yasuです。
PCエンジンの名作RPGと聞いて、多くのファンが名前を挙げる『桃太郎伝説ターボ』。ファミコン版からグラフィックや操作性が大幅にパワーアップした本作は、今遊んでも色褪せない魅力に溢れています。
「昔クリアしたけれど、内容は忘れてしまった」「レトロゲームに興味があるけれど、何から遊べばいいかわからない」
そんな方に向けて、今回は『桃太郎伝説ターボ』の魅力を、当時の思い出と共にレビューしていきます。笑いあり、涙ありの冒険へ一緒に出かけましょう。
ゲームのボリューム:忙しい現代人にこそおすすめしたい「程よいボリューム感」
本作のクリアまでの時間は、概ね10時間から20時間程度。現代の超大作RPGのように100時間を超えるような膨大なコンテンツ量ではありませんが、その分、中身がギュッと凝縮されています。
マップの広さやイベントの数も、「週末に集中してプレイすればエンディングまで辿り着ける」という絶妙なサイズ感です。「最近のゲームは長すぎてクリアまで気力が持たない」という大人世代にとっては、むしろこのコンパクトさが最大のメリットと言えるでしょう。
無駄な引き伸ばしがなく、物語がテンポよく進んでいくため、常に新しい展開を楽しめる密度には目を見張るものがあります。サクッと遊べて、しっかりとした満足感を得られる、非常にコストパフォーマンス(時間対効果)の高い作品です。

ゲーム内容:「ターボ」の名に恥じない快適さとユニークな物語
『桃太郎伝説ターボ』の最大の特徴は、タイトルの通り遊びやすいように最適化されている点です。ファミコン版のリメイクという位置付けですが、PCエンジンの性能を活かした美麗なグラフィックと、軽快なBGMが冒険を盛り上げます。
基本システムは、犬・猿・キジをお供に連れて鬼ヶ島を目指すという、非常に分かりやすいコマンド選択式のRPGです。今のゲームに比べるとシステムはシンプルですが、その分、誰でも直感的に遊べる親切設計になっています。
また、本作には「ダジャレで攻撃する敵」や「ユニークな村人」など、シリーズ特有のコミカルな要素が満載です。しかし、ふざけているだけではありません。しっかりとレベルを上げ、装備を整えないと勝てない絶妙な戦闘バランスは、プレイヤーに「工夫する楽しさ」を提供してくれます。

感想:鬼のようなエンカウント率すら愛おしくなる達成感
実際にプレイして改めて感じるのは、このゲームが持つ独特の「熱量」です。正直なところ、現代のRPGと比べると敵とのエンカウント率は高めに設定されています。数歩歩けば敵が出る、といった状況もしばしば。
しかし、これは裏を返せば「レベル上げの作業を意識しなくても、目的地に着く頃には自然と強くなっている」というポジティブな仕様とも受け取れます。戦闘のテンポが非常に良いため、連戦になってもストレスを感じにくく、むしろザコ敵をなぎ倒していく爽快感が勝ります。
また、所持アイテム数の制限が厳しいという側面もありますが、これにより「どの回復アイテムを持っていくか」「どの術を優先するか」という戦略性が生まれ、単調になりがちな道中に緊張感を与えてくれます。
そして何より特筆すべきは、物語の緩急です。道中は思わず吹き出してしまうようなユーモアに溢れていますが、物語の根幹は非常にシリアスかつ王道。「愛と勇気」というテーマがしっかりと描かれており、ラストシーンでは心地よい感動に包まれました。

総評:ギャグと王道が見事に融合したPCエンジンの必修科目
『桃太郎伝説ターボ』は、単なる懐古趣味で終わらせるには惜しい名作です。一見すると子供向けのコミカルな作品に見えますが、その実態は、ギャグ要素もあるものの正統派である物語を、しっかりとしたRPGのシステムで支えている骨太な作品です。
古いゲームゆえの不便さも多少はありますが、それを補って余りあるキャラクターの魅力と、クリアした時の達成感は、今のゲームでは味わえない特別な体験となるでしょう。
RPGの原点にある「冒険するワクワク感」を思い出したい方は、ぜひ一度プレイしてみてください。
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