『閃の軌跡Ⅱ:改』レビュー|極まる快適さと内戦の深層を描く傑作RPG

『閃の軌跡Ⅱ:改』レビュー|極まる快適さと内戦の深層を描く傑作RPG
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こんにちは、yasuです。

日本ファルコムが展開する大人気ストーリーRPG「軌跡」シリーズ。その緻密な世界観構築と長大な歴史のうねりの中で、『英雄伝説 閃の軌跡II』は、ゼムリア大陸最大の国家であるエレボニア帝国の内戦を真正面から描く、シリーズにおける重大な転換点として位置づけられています。今回、最適化された完全版『英雄伝説 閃の軌跡II:改 -The Erebonian Civil War-』について、その劇的な進化と物語の深層を振り返りながら、本作の魅力をお伝えします。

絶望の淵から仲間を求める「第三の道」へのあらすじ

物語は、前作『閃の軌跡』の衝撃的かつ残酷な結末から直接つながる形で幕を開けます。主人公リィン・シュバルツァーは、灰色の巨大な騎士「ヴァリマール」と、人語を解する黒猫「セリーヌ」の傍ら、雪深い山岳地帯で意識を取り戻しました。彼の記憶にあるのは、仲間たちの悲痛な別れの言葉と、自らの無力さに打ちひしがれた絶望、そしてトールズ士官学院が戦火に包まれる光景でした。

「みんなは無事なのか」という焦燥感に突き動かされ、リィンは散り散りになった《VII組》の仲間たちを探す旅へと踏み出します。帝国は、貴族連合軍と帝国正規軍という二大勢力が国土を焦土と化す激しい内戦状態にありました。どちらの派閥にも属さないリィンたちは、オリヴァルト皇子から託された飛行船「カレイジャス」を旗印に、貴族派でも革新派でもない独立した「第三の道」を模索し始めます。学生という未熟な存在が、国家の危機という荒波の中で自分たちがなすべきことを見出し、自らの意志で行動する主体へと成長していく過程は、非常に重厚な群像劇として描かれています。

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圧倒的なプレイボリュームと自由な編成が叶う「夢幻回廊」

本作のプレイボリュームは、数あるJRPGの中でも群を抜いています。メインストーリーを追うだけでも30時間~40時間を要しますが、そこに加えて豊富なサブクエストや各地のイベントなどが用意されており、プレイヤーを飽きさせない工夫がやりこみ要素の評価を大きく押し上げています。さらに特筆すべきは、物語の締めくくりとなる後日譚「冬の終わり」です。ここでは内戦終結後の学院生活と生徒たちの進路が描かれるだけでなく、自動生成ダンジョン「夢幻回廊」が登場します

このダンジョンは本編の厳しい制約から解放され、プレイヤーが自由にパーティを編成して攻略できるため、純粋にバトルを楽しみ尽くすことができます。重厚な本編に対する純粋なゲームプレイの喜びを提供するコンテンツとして機能しており、自分だけの最強の組み合わせを試すなど、長く深く遊べる点において非常に満足度が高い仕上がりです。

「改」で実現した極めて快適なゲーム内容とシステム

オリジナル版ではロード時間の長さやテンポの遅さが課題として挙げられていましたが、ハードウェアの制約を乗り越えて登場した『改』ではそれらの不満点が見事に解消されています。

最大の目玉は「高速スキップモード」の実装です。これにより、イベントやフィールド移動、戦闘シーンは標準の2倍速で進行させることが可能になりました。ゲームプレイのテンポが劇的に向上しています。

巨大ロボットを操る「騎神戦」などバリエーションに富む戦闘システムは、一部でバランス調整の甘さが指摘される部分もありますが、広大なフィールドの探索やレベル上げが驚くほどスムーズに進行するため、その恩恵のほうがはるかに大きく感じられます。このロード時間の抜本的な解消とハイスピードモードの導入は、評価を劇的に押し上げるほどの決定的な好影響を及ぼしました。現代の多忙なプレイヤーにとっても遊びやすい設計に進化しています。

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内戦のリアルと地政学的な視点に触れた感想

僕が本作を通じて最も心に響いたのは、単なる勧善懲悪では語れない内戦のリアルな描写です。学生という身分で、友人や家族が敵味方に分かれて戦う過酷な状況下において、リィンたちが葛藤しながらも進むべき道を探す姿には深く共感できるものがありました。特に、自分たちの正義が他国から見ればどのように映るのかを突きつける外伝「クロスベル占領」の視点反転は、物語に圧倒的な深みを与えています

外伝では、過去作の主人公であるロイドたちの視点から、軍事併合されたクロスベル側の抵抗劇が描かれます。そこに立ちはだかるのが、他でもない帝国の英雄となったリィンであるという特異な構成は、非常に示唆に富んでいました。

確かに、主人公リィンに焦点が当たりすぎるあまり、他の仲間たちの存在感が薄れてしまうことや、苦労して倒したボスがイベントで余裕を見せるような演出にもどかしさを覚えることもあります。しかし、大国の歯車に組み込まれた個人の苦悩や、世界には抗いがたい巨大な力があるという事実を描き出す上で、それらの要素もまた物語のリアリティを構成する重要なピースとして機能していると感じました。

心を揺さぶるFalcom Sound Team jdkの楽曲と主題歌

軌跡シリーズを語る上で欠かせないのが、Falcom Sound Team jdkによる素晴らしい音楽です。オープニングテーマ『閃光の行方』は、激動の内戦へ突入していく若者たちの焦燥感と、一条の光を求めて前へ進む意志を表現した疾走感あふれるロックチューンです

そして、物語の余韻をさらに深いものにしてくれるのが、佐坂めぐみさんが歌うエンディングテーマ『I’ll remember you』です。内戦終結後、それぞれ別の道へ進む別離の悲哀を丁寧に歌い上げており、後日譚での《VII組》の解散という感傷的な結末に完璧に同調し、僕たちプレイヤーの心に忘れがたい深い余韻を残してくれます。

また、直前の驚くべき悲しい展開がオーバーラップし、また涙を誘います。

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総評:JRPGの歴史に刻まれるべき「快適な完全版」

『閃の軌跡Ⅱ:改』は、重厚なストーリーと膨大なやり込み要素というシリーズ本来の強みを活かしつつ、システム面の劇的な改善によって完成度を極限まで高めた作品です。一部のシナリオ構成や絆システムのあり方については議論される部分もありますが、それを補って余りある没入感が本作には宿っています。

「高速スキップモード」のおかげで長編RPG特有のストレスはほとんど感じられず、快適に遊べる優れたRPG体験へと変貌を遂げています。これからシリーズを始めたい方はもちろん、かつてオリジナル版のロード時間に苦労した方にとっても、本作は新たな感動を提供してくれるはずです。仲間たちとそれぞれの未来へ歩み出す《VII組》の通過儀礼の物語を、ぜひご自身の目で見届けてみてください。

『閃の軌跡Ⅱ:改』実況 完結!
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yasu

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YASU GAME LIFE CHANNELのyasu本人によるブログです。乙女ゲーム好きな実況者です。皆と居心地の良いストレスのない場所を作るのが目標です。今までの動画・ライブ配信のまとめだったり、日々の想いを綴ります。 ※当ブログはアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト含む)を掲載することがあります。

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