【評価】零の軌跡:改を徹底レビュー。クロスベルで紡ぐ「正しさ」の物語と圧倒的熱量

【評価】零の軌跡:改を徹底レビュー。クロスベルで紡ぐ「正しさ」の物語と圧倒的熱量
この記事はだいたい 8 分前後で読めます。

こんにちは、yasuです。

数あるJRPGの中でも、重厚な世界観と緻密なストーリーテリングでファンを魅了し続ける「軌跡シリーズ」。その中でも屈指の名作と名高い『零の軌跡:改』を今回は取り上げます。

本作は、シリーズの原点である『空の軌跡』の舞台リベール王国からクロスベルへと場所を移し、新たな主人公たちの奮闘を描いた作品です。オリジナル版はPSPでの発売でしたが、グラフィックの高画質化や快適な高速モードを搭載し、現代のコンソール向けにブラッシュアップされています。

「シリーズ途中から入っても大丈夫か」「古いゲームのリマスターではないか」といった不安を感じている方もいるかもしれません。しかし、結論から言えば、本作は今こそ遊ぶべき傑作です。ロイドと仲間たちが織り成す「正しさ」を問う物語は、時代を超えてプレイヤーの胸を打ちます。本記事では、その魅力を余すことなくお伝えします。

警察の鼻つまみ者たちが挑む「壁」の物語

本作の舞台となるのは、二大国であるエレボニア帝国とカルバード共和国に挟まれた「クロスベル自治州」です。この地は大陸有数の貿易都市として繁栄を極める一方で、両国の政治的な圧力やマフィアの暗躍、汚職といった深い闇を抱えています。

主人公のロイド・バニングスは、新設された警察部署「特務支援課」に配属されます。しかし、そこは市民の信頼を失った警察において、市民の人気取りのために作られた「真似事」のような部署でした。メンバーはロイドを含め、訳ありの4人のみ。遊撃士協会という市民の味方が存在する中で、彼らは「警察官として何ができるか」を模索することになります。

序盤は迷子探しや魔獣退治といった地味な活動が続きますが、それは巨大な陰謀へと繋がる導火線に過ぎません。一見平和に見える都市の裏側で蠢く組織、そしてロイドの兄の死の真相。特務支援課は、クロスベルを覆う分厚い「壁」に、泥臭く、しかし実直に立ち向かっていきます。

Game zeronokiseki kai

骨太なメインストーリーと快適さを両立したボリューム

クリアまでのプレイ時間は、メインストーリーを追うだけでも40時間から50時間程度を見込む必要があります。サブクエストや隠し要素、NPCとの会話マラソンを含めれば、優に80時間を超える大ボリュームとなるでしょう。現代の忙しいゲーマーにとっては、この長さを重荷に感じることもあるかもしれません。

しかし、『改』にはその懸念を払拭する強力な機能「高速スキップモード」が搭載されています。フィールド移動やイベント、戦闘速度を数倍速に切り替えることができ、驚くほどテンポ良く物語を進めることが可能です。もともとボリュームがある作品だからこそ、この機能の恩恵は計り知れません。また、その長さは決して水増しされたものではなく、クロスベルという街の解像度を高めるために必要な時間だったと、クリア後には納得できるはずです。長大な物語だからこそ味わえる、最終章のカタルシスは格別なものがあります。

Game zeronokiseki kai

進化を感じさせるグラフィックと演出の妙

元がPSPのゲームであるため、最新のAAAタイトルと比較すれば、モデリングやモーションに古さを感じる場面は否めません。キャラクターの頭身は低く、昨今のリアルなグラフィックに慣れた目には少々チープに映る可能性もあります。しかし、HDリマスター化された背景美術やキャラクターイラストは非常に鮮明で、2Dと3Dが融合した独特の温かみのある世界観は見事に保持されています。

特筆すべきはボイス量です。『空の軌跡 Evolutionシリーズ』のようなフルボイス仕様ではありませんが、それでも圧倒的なボイス量が収録されています。メインストーリーの重要な局面は完全にボイス付きで展開され、実力派声優陣の演技が物語への没入感を高めます。フルボイスではないことで、逆にテキストを読むテンポが生まれ、小説を読むような感覚とアニメーションを見る感覚が良いバランスで共存しています。戦闘システムも「ATバトル」を継承しつつUIが最適化されており、古さをストレスではなく「クラシックな良さ」として楽しめる調整が施されています。

Game zeronokiseki kai

「正義」ではなく「正しさ」を問い続けるロイドたちの姿

本作をプレイしていて最も心を揺さぶられたのは、主人公ロイドたちの姿勢です。彼らは特別な能力を持つ選ばれた勇者ではありません。あくまで警察組織の一員であり、法や組織のしがらみ、そして「遊撃士」という優秀な比較対象に常に劣等感を抱きながら活動します。

序盤の展開がスローペースで、地道な捜査活動が続くため、派手な冒険活劇を期待すると肩透かしを食らうかもしれません。しかし、その地道な積み重ねがあるからこそ、彼らが市民の信頼を少しずつ勝ち取っていく過程に熱くなります。特に印象的なのは、彼らが掲げるのが絶対的な「正義」ではなく、その場その場で悩み抜いた末の「正しさ」である点です。絶対的な正解がない状況下で、それでも前へ進もうとする泥臭い姿に、プレイヤーは自身の姿を重ねてしまうでしょう。主人公ロイドと仲間が織り成す『正しさ』を問う物語は、現代社会を生きる私たちにこそ響くテーマを持っています。

総評:色褪せない「壁」を乗り越える物語

グラフィックの世代感や、独特の専門用語の多さなど、入り込みにくい要素が全くないわけではありません。しかし、それらを補って余りあるストーリーの完成度とキャラクターの魅力が本作には詰まっています。

リベールからクロスベルへ舞台を移し、新たな視点で描かれる「軌跡」の物語は、シリーズ未経験者が最初に触れる作品としても最適です。むしろ、ここから始めて過去作や続編へと興味を広げるのも良いでしょう。「特務支援課」という家族のようなチームが、巨大な壁を乗り越える瞬間の感動を、ぜひ皆さま自身のコントローラーで体験してください。このゲーム体験は、皆さまの記憶に長く残る大切な宝物になるはずです。

『零の軌跡:改』実況 完結!
YASU GAME LIFE CHANNELの配信を見る

Wrote this article この記事を書いた人

yasu

yasu

YASU GAME LIFE CHANNELのyasu本人によるブログです。乙女ゲーム好きな実況者です。皆と居心地の良いストレスのない場所を作るのが目標です。今までの動画・ライブ配信のまとめだったり、日々の想いを綴ります。 ※当ブログはアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト含む)を掲載することがあります。

TOPへ