【評価/レビュー】オリジナル版『バイオハザード4』はなぜ神ゲーか？レオンとエイダの関係やTPSの革命を振り返る

こんにちは、yasuです。

サバイバルホラーの金字塔でありながら、アクションゲームの歴史を塗り替えた名作、オリジナル版『バイオハザード4』。

近年、リメイク版である『RE:4』が大ヒットを記録しておりますが、だからこそ「原点」であるオリジナル版の完成度の高さが再評価されています。今回は、シリーズの方向性を大きく変えた挑戦作としての意義や、ファンを魅了してやまないレオンとエイダの甘酸っぱい関係性にも触れながら、本作の魅力を改めてレビューしていきます。

ゲーム内容：シリーズの常識を覆した革新的な操作性

本作の最大の特徴は、それまでの「ラジコン操作」や「固定カメラ」を撤廃し、キャラクターの背後から追従する「ビハインドビュー」を採用した点です。これは当時のTPS（サードパーソン・シューティング）における革命であり、その後の多くのアクションゲームのスタンダードとなりました。

ゲームプレイは、従来の「逃げる恐怖」から「倒す快感」へと大きくシフトしています。プレイヤーは主人公レオン・S・ケネディとなり、誘拐された大統領の娘アシュリーを救うため、ヨーロッパの寒村へと潜入します。敵はゾンビではなく、知性を持った「ガナード」。彼らは集団で連携し、武器を使って襲い掛かってくるため、プレイヤーは状況に応じた戦略的な立ち回りを要求されます。

また、武器商人による武器の改造やアタッシュケース内でのアイテム整理（テトリスのようなパズル要素）など、戦闘以外のシステム面も極めて中毒性が高く、シリーズの方向性を「サバイバルホラー」から「サバイバルアクション」へと大胆に変えた、まさに歴史的な挑戦作と言えるでしょう。

プレイ時間とボリューム：やりこみ要素満載の圧倒的なボリューム

アクションゲームとしては異例とも言えるほどのボリュームも、本作が長く愛される理由の一つです。物語の舞台はストーリー深度によって変わっていき、それぞれのプレイフィールもまた変わっていきます。初見プレイであればクリアまでに15時間〜20時間ほど没頭できる濃密な体験が待っています。

しかし、エンディングを迎えても楽しみは終わりません。本編クリア後には、謎多き女スパイ、エイダ・ウォン視点で裏側のストーリーを描く「the another order（エイダ編）」や、短時間でのスコアアタックを楽しむ「マーセナリーズ」などが解放されます。

特にエイダ編は、本編の補完として非常に重要な役割を果たしており、単なるオマケの域を超えています。さらに、強力な隠し武器の解放や、難易度プロフェッショナルへの挑戦など、周回プレイを前提とした作り込みが凄まじく、何周遊んでも飽きさせない設計は見事としか言いようがありません。

感想：レオンとエイダ、二人の距離感に悶える

実際にプレイして改めて感じるのは、ゲームとしてのテンポの良さと爽快感です。敵の足を撃って体勢を崩し、近づいてメレー（体術）を決める一連の流れは、指が覚えるほど気持ちが良いものです。QTE（クイックタイムイベント）による緊張感も、映画の中に入り込んだような没入感を高めてくれます。

そして何より、本作を語る上で外せないのが、レオンとエイダの「甘酸っぱい関係性」です。『バイオハザード2』での悲劇的な別れから6年。敵か味方かわからない立場で再会した二人のやり取りは、大人の余裕と切なさが入り混じっています。

任務のために冷徹に振る舞おうとするエイダと、彼女を信じたいけれど疑わざるを得ないレオン。わずかなやり取りにでさえ、そこには言葉以上の信頼と愛憎が見え隠れします。影からこっそりとレオンを援護するエイダの健気さや、ラストシーンで見せる粋な去り際など、二人の付かず離れずの距離感は、シリーズファンにとって最高のご褒美と言えるでしょう。この「大人のロマンス」が、ハードな戦いの中に彩りを添えています。

総評：色褪せないアクションゲームの完成形

オリジナル版『バイオハザード4』は、発売から長い年月が経った今遊んでも、その面白さは全く色褪せていません。リメイク版も素晴らしい出来と言われていますが、オリジナル版特有のダークな色彩、独特の操作感、そして空耳でお馴染みのガナードたちのボイスには、唯一無二の魅力があります。

アクションシューティングの基礎を作り上げた偉大な作品であり、レオンとエイダの物語を美しく描いた傑作です。未プレイの方はもちろん、リメイク版しか遊んでいないという方も、ぜひこの「原点にして頂点」と呼ばれる伝説を体験してみてください。