こんにちは、yasuです。
スーパーファミコンの名作RPGといえば、皆さまは何を思い浮かべるでしょうか。
数々の名作が生まれた時代において、ひときわ異彩を放ち、今なお語り継がれる伝説の作品。それが初代『ロマンシング サ・ガ』です。
今回は、かつて子供時代にそのあまりの難しさに挫折し、大人になった今ついにリベンジを果たした僕が、この「早すぎた傑作」の魅力を改めてレビューしていきたいと思います。
「懐かしい!」という方も、「名前しか知らない」という方も、ぜひ最後までお付き合いください。
ゲームのボリューム:8人の主人公が織りなす圧倒的なボリューム
本作の最大の特徴であり、ボリューム感を底上げしているのが8人の主人公から1人を選んで物語を始めるシステムです。1回のクリアにかかる時間は、慣れやプレイスタイルにもよりますが20時間~30時間ほどでしょうか。
しかし、このゲームの真髄は「周回」にあります。選んだ主人公によってオープニングイベントが異なるのはもちろん、会話の細部や仲間にできるキャラクター、イベントへの関わり方が変化するため、実質的にRPGを8本分遊べるような密度を持っています。
すべてのイベントを網羅し、全主人公でクリアしようとすれば、優に100時間を超える冒険が待っています。さらに、攻略順序によって展開が変わるため、遊ぶたびに「こんなイベントがあったのか」という新しい発見があり、そのボリューム感は底知れません。昨今のDLC満載のゲームにも引けを取らない、濃密な時間がSFCのカートリッジに詰め込まれています。

ゲーム内容:「フリーシナリオ」と「閃き」が光る
『ロマンシング サ・ガ』を語る上で外せないのが、画期的な「フリーシナリオシステム」です。一般的なRPGのように「次はここへ行け」という指示はほとんどありません。広大な世界マルディアスに放り出されたプレイヤーは、どこへ行き、誰を仲間にし、どのダンジョンを攻略するかを完全に委ねられます。
そして、サガシリーズの代名詞とも言える戦闘終了後のパラメータアップシステム(レベルの概念がなく、HPや力など個別にアップしていく)や、武器ごとの熟練度、育成の自由度も極めて高いです。
また、伊藤賢治氏による神がかったBGMも忘れてはいけません。通常戦闘曲から、ボス戦、フィールド曲に至るまで、すべての楽曲が冒険の興奮を最高潮に高めてくれます。物語、システム、音楽のすべてが「冒険している感」を演出しており、プレイヤー自身が物語を紡いでいく感覚は、現代のオープンワールドゲームの先駆けと言っても過言ではないでしょう。

感想:子供の頃のリベンジ達成!大胆かつ挑戦的なバランスに脱帽
僕が子供の頃にプレイした際は、難しくクリアどころか中盤で詰んでしまい断念しました。敵との戦闘回数に応じて敵ランクが上がっていくシステムなどがよく理解できず、雑魚敵と戦いすぎてボスより強い雑魚に囲まれ、なすすべなく全滅した苦い記憶もあります。
しかし今回、大人になって知識を携えて挑んだリベンジプレイは、驚きと感動の連続でした。「敵が強くなるなら、無駄な戦闘を避けてイベントをこなす」という駆け引きや、強力な全体攻撃を持つ武器をどう確保するかという戦略性が、たまらなく面白い。
当時は「理不尽」としか思えなかった要素が、実はプレイヤーの試行錯誤を促す「大胆なゲームバランス」であったことに気付かされました。今のゲームのように手取り足取り教えてはくれませんが、その分、自分で攻略法を見つけ出し、強敵サルーインを倒した時の達成感は、他のゲームでは味わえない格別のものがありました。まさに、挑戦的な作品だからこそ得られるカタルシスです。

総評:不便さすら愛おしい、唯一無二のRPG
初代『ロマンシング サ・ガ』は、決して万人に優しい優等生的なゲームではありません。バグや荒削りな部分も含めて、非常に尖った作品です。しかし、その「混沌」こそが本作の最大の魅力であり、プレイヤーを惹きつけてやまない理由でしょう。
子供の頃にクリアを諦めてしまった方こそ、今再びコントローラーを握ってほしいと思います。あの頃は高すぎる壁に見えた難易度が、大人になった今なら「最高の手応え」に変わるはずです。自由と責任、そして達成感が詰まったこの傑作は、間違いなくRPG史に残る金字塔です。
【次にあなたができること】
もしこの記事を読んで「もう一度マルディアスの地へ降りたい」と思ったら、現在はリメイク版などでもプレイ可能です。当時のドット絵の雰囲気を味わいたい方はSFC版を、快適に遊びたい方はリメイク版の『ミンストレルソング』をチェックしてみてはいかがでしょうか。
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