
こんにちは、yasuです。
裏社会の喫茶店を舞台に繰り広げられる、スリルと静寂が交錯する恋愛模様。
かつてPS Vitaで発売され、一部の熱狂的なファンを生み出した『殺し屋とストロベリー』が、装いを新たにNintendo Switchで登場しました。タイトルは『殺し屋とストロベリーPlus』です。
本作は、タイトルの通り「殺し屋」という危険な職業に就く男性たちとの共同生活を描いた作品です。一見すると近寄りがたいテーマですが、蓋を開けてみるとそこには優しさと切なさが同居する不思議な世界が広がっていました。
今回は、殺し屋と恋をするという稀有なテーマに中毒性がある本作について、PS Vita版から進化したポイントや、クリア後の追加要素を含めてレビューしていきます。
あらすじ:ジュラルミンケースから始まる非日常
物語の舞台は、現代日本のどこかにある街。ある日、喫茶店「喫茶 月影」に一つの大きなジュラルミンケースが運び込まれます。その中に入っていたのは、言葉を失った一人の少女「イチゴ」でした。
彼女は過去のトラウマから声を出すことができず、ただ静かに周囲を見つめることしかできません。そんな彼女を受け入れたのは、表向きは喫茶店を営みながら、裏では殺し屋稼業などを請け負う危険な男たちです。
喫茶店のマスターであるツキミをはじめ、無愛想なバリスタ、闇医者、武器商人など、一癖も二癖もある人間たち。彼らはイチゴを狙う謎の組織から彼女を守るため、奇妙な共同生活をスタートさせます。
なぜ彼女は狙われているのか。そして、彼女が失った言葉と記憶の行方は。珈琲の香りが漂う店内で、硝煙と純愛が混ざり合うミステリアスな日々が幕を開けます。

ゲームボリューム:多忙な日々にフィットする濃密な構成
本作のプレイ時間は、共通ルートを含めても1周あたり数時間程度でエンディングに到達できる構成になっています。昨今の重厚長大なRPGやアドベンチャーゲームと比較すると、コンパクトに感じる方もいるかもしれません。
しかし、このボリューム感こそが本作の大きな魅力です。物語に一切の無駄がなく、ダレることなく結末まで駆け抜ける疾走感があります。周回プレイが前提となる乙女ゲームにおいて、各ルートをサクサクと進められるテンポの良さは、忙しい現代人にとって非常にありがたい仕様です。
長時間拘束されることなく、就寝前のわずかな時間や休日の午後を使って、密度の高いドラマを摂取できる点は高く評価できます。短時間で満足度の高い読後感を得られるため、複数のキャラクターを攻略する際の心理的なハードルも低く、コンプリートを目指しやすい設計と言えるでしょう。

ゲーム内容:シンプルさを極めた快適なシステム
ゲームシステムは、テキストを読み進めながら選択肢を選んでいくオーソドックスなノベルスタイルを採用しています。複雑なパラメータ管理やミニゲームといった要素は排除されており、純粋に物語への没入感を高める作りです。
今回の「Plus」版における最大の特徴は、Nintendo Switch向けに高解像度化された美しいグラフィックです。カズキヨネ氏が描く繊細でスタイリッシュなキャラクターたちが、大画面でも携帯モードでも鮮やかに映えます。
また、UIデザインも作品の雰囲気に合わせて洗練されており、既読スキップやバックログなどの基本機能も快適に動作します。システム面での複雑さがない分、プレイヤーは「誰と恋をするか」「どのような結末を迎えるか」という一点に集中することが可能です。
ゲームとしての歯ごたえを求める方には物足りなさがあるかもしれませんが、小説をめくるようにストレスなく世界観に浸りたい方にとっては、これ以上ないほど親切な設計になっています。

感想:静寂のヒロインが引き立てる殺し屋たちの人間味
本作をプレイして最も印象に残ったのは、主人公であるイチゴが「喋らない」という設定がもたらす独特の空気感です。ヒロインのセリフが極端に少ないことに対し、最初は戸惑いを覚えるかもしれません。
しかし物語が進むにつれて、この「静寂」こそが攻略対象である男性たちの魅力を最大限に引き出していることに気づかされます。彼女が言葉を発さないからこそ、彼らは彼女の表情を読み取り、心の機微に触れようと必死に語りかけてくるのです。
殺し屋というアウトローな彼らが、無垢な少女に対して不器用な優しさを見せるギャップ。これこそが、殺し屋と恋をするという稀有なテーマに中毒性があると言われる所以でしょう。言葉がないからこそ通じ合う心の交流は、他の乙女ゲームでは味わえない深い余韻を残します。
また、PSvita版から進化し、さらに本編エンディング後のアフターストーリーまで収録されている点はファンにとって涙が出るほど嬉しい要素です。本編では張り詰めていた彼らが、恋人同士になった後に見せる甘い一面や、あのキャラの意外な様子も見れるかも知れません。この追加要素だけで、本作を手に取る価値は十分にあります。
総評:大人の女性にこそ勧めたいスタイリッシュな良作
『殺し屋とストロベリーPlus』は、派手な演出や複雑なシステムで飾るのではなく、素材の良さと雰囲気で勝負する、まるで隠れ家カフェのような作品です。
ボリュームの少なさや主人公の無口設定といった一見すると好みが分かれる要素も、プレイヤーの想像力を掻き立て、手軽に非日常へトリップするための装置として機能しています。裏社会というダークな設定ながらも、根底に流れるのは温かい信頼と愛情の物語です。
重厚すぎるゲームに疲れてしまった方や、短時間で良質なときめきを補給したい方に、自信を持っておすすめします。危険な香りのする「喫茶 月影」の扉を、ぜひ一度叩いてみてください。
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Wrote this article この記事を書いた人
yasu
YASU GAME LIFE CHANNELのyasu本人によるブログです。乙女ゲーム好きな実況者です。皆と居心地の良いストレスのない場所を作るのが目標です。今までの動画・ライブ配信のまとめだったり、日々の想いを綴ります。 ※当ブログはアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト含む)を掲載することがあります。