こんにちは、yasuです。
押し入れの奥に眠っている懐かしいゲームカセットたちを、もう一度今のテレビで遊びたいと思ったことはありませんか。
純正のハードウェアは寿命を迎え、ブラウン管テレビも手元にない今、レトロゲームを当時のまま楽しむハードルは意外と高いものです。ACアダプターが見つからなかったり、接触不良でフリーズしてしまったりといった経験は、レトロゲーマーなら誰もが通る道でしょう。
そんな悩みを一挙に解決し、思い出のゲームたちを現代の環境で鮮やかに蘇らせてくれるのが、サイバーガジェット社から発売されている『レトロフリーク』です。
今回は、この「神ハード」とも呼ばれるレトロフリークを実際に購入し、使い倒している私が、その魅力と気になる点について徹底的にレビューします。良い部分だけでなく、扱う上で気をつけたいポイントも包み隠さずお伝えしますので、購入を迷っている方はぜひ参考にしてください。
レトロフリークとは?1台で過去と未来を繋ぐ最強の互換機
レトロフリークを一言で表すなら、「レトロゲームの博物館を自宅に構築できるマシン」といえます。
最大の特徴は、ファミコンやスーパーファミコンなど、往年のゲームカセットをそのまま差し込んで遊べることです。しかし、単に遊べるだけではありません。HDMI出力によって、現代の大画面液晶テレビに綺麗に映し出すことができます。
純正機を今のテレビに繋ぐと、アナログ放送のようなぼやけた画質になりがちですが、レトロフリークは内部で高画質化処理を行っています。ドット絵がくっきりと表示されるその映像美は、当時の記憶の中で美化された思い出さえも超えてくるクオリティです。
また、特筆すべきは「ゲームのインストール機能」です。手持ちのカセットを本体に接続し、microSDカードにデータをインストールすることで、カセットを抜き差しすることなくゲームを起動できるようになります。これは、カセットの端子摩耗を防ぎ、大切なコレクションを物理的なダメージから守ることにも繋がります。
もちろん、インストールには「自分自身が所有しているカセットを使用する」という大前提がありますが、部屋中に散らばったカセットを整理し、デジタルライブラリとして管理できる体験は、一度味わうと戻れない快適さがあります。
なお、microSDカードにインストールしたゲームは、他のレトロフリークでは使用できません。グレーな使用方法を避けるための仕様だと思います。上記にも書いていますが、「自分自身が所有しているカセットを使用する」。この原則を忘れないようにご注意ください。
これ1台でOK!レトロフリークで遊べる対応機種一覧
レトロフリークの対応機種の多さは、他の互換機を圧倒しています。標準セットで以下の11機種に対応しています。
- ファミリーコンピュータ
- スーパーファミコン
- Super Nintendo Entertainment System(海外版SFC)
- ゲームボーイ
- ゲームボーイカラー
- ゲームボーイアドバンス
- メガドライブ
- GENESIS(北米版メガドライブ)
- PCエンジン ※CD-ROM²には対応していません。
- TurboGrafx-16(海外版PCエンジン)
- PCエンジン スーパーグラフィックス
さらに、別売りの「ギアコンバーター」を使用すれば、ゲームギア、セガ・マークIII、SG-1000にも対応可能です。
これだけの機種を実機で揃えようとすると、配線だけでテレビ裏が大変なことになりますが、レトロフリークならHDMIケーブル1本と電源だけで完結します。省スペース化という点でも、日本の住宅事情に非常にマッチしたハードウェアといえるでしょう。
すべてが動くわけではない?遊べないゲーム作品と確認方法
非常に優秀なレトロフリークですが、この世に存在するすべてのレトロゲームが動作するわけではありません。エミュレーションという技術の特性上、特定の特殊チップを搭載したソフトや、周辺機器に依存するソフトの中には、正常に動作しないものが存在します。
しかし、これをネガティブに捉える必要はありません。メーカーであるサイバーガジェットは、動作確認が取れていない、あるいは動作しないことが判明しているタイトルを公式に公開しています。これは裏を返せば、メーカーが誠実にユーザーへ情報開示を行っている証拠でもあります。
購入前にお手持ちの大切なソフトが対応しているか気になる場合は、以下の公式ページで確認することをおすすめします。
【レトロフリークで正常に動作しないゲームソフトのリスト】
https://www.cybergadget.co.jp/support/retrofreak/supportlist/8077/
リストにあるソフトはごく一部であり、数千を超える膨大なライブラリのほとんどは問題なく動作します。もし非対応ソフトを持っていたとしても、それは「実機で遊ぶ理由が残った」と前向きに捉え、実機とレトロフリークを使い分ける楽しみができると考えれば良いでしょう。
機能改善の鍵!レトロフリークのアップデート方法
レトロフリークをより快適に、より多くのソフトに対応させるためには、システムを最新の状態に保つことが重要です。大抵のものはおそらく最新バージョンになっていると思われますが、現在のバージョンによって手順が異なりますので、まずはお手元の本体を確認してみましょう。
1. 現在のバージョンを確認する
メインメニューから「システム設定」を選択し、画面に表示される「バージョン情報」内「アプリケーション」のバージョン(ver.)を確認してください。ここが全ての作業の起点となります。
2. ver1.5 以降から最新バージョンへアップデートする場合
バージョンを確認した結果、ver1.0~ver1.4だった場合は、まずver1.5にアップデートする作業が必要となります。「3.」でまずver1.5にアップデートしてください。
現在の主流であるver1.5以降では、セキュリティと個体識別の観点から「アップデート用データ」をレトロフリークからダウンロードする手順になります。
- レトロフリーク本体にmicroSDカードを差し込み、「システム設定」から「アップデート用データ書き出し」を選択して、microSDカード内に「アップデート用データ(retrofreak-update-request.dat)」を作成します。
- そのカードをPCに繋ぎ、公式サイトの「アップデート専用ページ」へアクセスします。
- ページ上で作成したアップデート用データをアップロードすると、その個体専用の「アップデート実行ファイル(.bin)」が発行されるので、ダウンロードしてmicroSDカードに保存します。
- カードを本体に戻して起動し、アップデートを適用します。
3. ver1.0 ~ ver1.4 から ver1.5 へアップデートする場合
かなり初期の状態からver1.5へ引き上げる際は、手順が異なります。
- 公式サイトからver1.5用のアップデートデータをPCでダウンロードします。
- 解凍して出てきた「update」フォルダをmicroSDカードのルートディレクトリ(一番上の階層)にコピーします。
- そのカードをレトロフリークに差し込んで起動すると、更新案内が表示されます。
このように、ver1.5からは少し手順が増えますが、これは「自分の本体を大切に、安全に更新するための仕組み」です。一度慣れてしまえば数分の作業ですので、新しい機能や互換性向上のために、ぜひチャレンジしてみてください。
少し分かりづらい場合は、下記の公式ホームページも是非参照してください。
【レトロフリークのアップデートについて】
https://www.cybergadget.co.jp/support/retrofreak/update/
【実機レビュー】レトロフリークを使って感じた「愛すべき」ポイント
実際にレトロフリークを長期間使用して感じた、率直な感想をお伝えします。インターネット上ではいくつかの欠点も指摘されていますが、それらは付き合い方次第で愛着に変わるものです。
1. カセットスロットの「固さ」は接点の安定感
よく言われるのが「カセットの抜き差しが固い」という点です。確かに、最初は驚くほど固く感じるかもしれません。しかし、これは「古いカセットの酸化した端子でも確実に読み込むための仕様」と捉えることができます。
接触不良でデータが消える悲劇を防ぐための、あえてのタイトな設計です。接点復活剤(レトロゲーム復活剤など)を綿棒でカセット側に塗布してから差し込むことで、スムーズに抜き差しできるようになります。この「メンテナンスをしてから遊ぶ」という儀式もまた、レトロゲームの醍醐味といえます。
念のため、接点を破損しないように、カセット、レトロフリーク共々、丁寧に扱う方が無難です。
2. コントローラーの操作性と遅延について
標準付属のコントローラーは、スーパーファミコンのそれに近い形状で使いやすいですが、こだわる方には別売りの「コントローラーアダプター」の使用を強くおすすめします。これを使えば、当時使い慣れた純正コントローラーをそのまま接続できます。
また、液晶テレビへの出力に伴う若干の操作遅延を気にする声もありますが、一般的なRPGやシミュレーションゲームを遊ぶ分には全く気になりません。アクションゲームであっても、近年のテレビにある「ゲームモード」などと組み合わせることで、違和感は最小限に抑えられます。むしろ、「どこでもセーブ機能(クイックセーブ)」を活用することで、激ムズだったあのアクションゲームをクリアできる喜びの方が、遅延の懸念を遥かに上回ります。
3. 所有欲を満たす「箱庭」感
インストール機能を使って、画面上にずらりと並んだゲームジャケット(設定で表示可能)を眺めていると、自分だけのゲームショップを開いたような幸福感に包まれます。セーブもmicroSD内に行えるため、電池切れでセーブが消える恐怖から解放され、いつでも好きなところから再開できる。
これは単なるゲーム機ではなく、「思い出を劣化させずに保存するアーカイブマシン」なのです。
まとめ:レトロフリークは思い出への投資である
レトロフリークは、決して安い買い物ではありません。しかし、押し入れで眠っている資産(カセット)を現代に蘇らせ、電池切れや故障の不安なく遊び続けられる環境を手に入れられると考えれば、そのコストパフォーマンスは計り知れません。
多少の手間やクセはありますが、それを含めてレトロゲームを愛する方には、これ以上ないパートナーとなるはずです。皆さまの思い出のソフトたちが、再び画面の中で輝き出す瞬間を、ぜひレトロフリークで体験してみてください。