
こんにちは、yasuです。
テレビシリーズが幕を閉じてからも、その深いテーマ性で僕たちを惹きつけ続ける作品があります。今回は、その正統な後日譚となるVシネクスト『仮面ライダーギーツ ジャマト・アウェイキング』についてレビューします。
本作は単なるスピンオフではなく、登場人物たちが直面する過酷な現実と、その先にある希望を描いた重要な物語です。一人の視聴者として、そして日常を生きる大人として、この作品が提示した問いに向き合ってみたいと思います。
テレビシリーズを彩ったライダーたちの現在地
本作の土台を支えるのは、テレビシリーズを駆け抜けた仮面ライダーたちの揺るぎない存在感です。1号ライダーである仮面ライダーギーツこと浮世英寿を演じるのは簡秀吉さんです。
過酷な戦いを経て、世界を創り変える神にも等しい存在へと至った英寿のカリスマ性は、本作のアクションシーンにおいても圧倒的な魅力を放っています。神としての超越的な視点を持つ彼の佇まいは、物語に大きな安心感を与えてくれます。
2号ライダーである仮面ライダータイクーン、桜井景和を演じる佐藤瑠雅さんの表現力も健在です。平和な世界を誰よりも強く願ってきた景和は、本作が描く共存という難題において、僕たち一般市民の視点を優しく代弁してくれます。
そして、3号ライダーの仮面ライダーナーゴ、鞍馬祢音を演じる星乃夢奈さんです。財力も美貌も兼ね備えたセレブ社会を離脱し、一般社会への参加を望んだ彼女の過去の軌跡は、人間社会に居場所を求めるジャマトの姿と静かに重なります。
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本作の真の主役である吾妻道長の覚悟と主題歌の響き
本作において、物語の核心を担う真の主人公と言えるのが、杢代和人さん演じる吾妻道長、仮面ライダーバッファです。テレビシリーズでは泥臭く現実的な手段を厭わなかった彼が、本作では新たな姿であるバッファ プロージョンレイジへと覚醒します。
簡さんと杢代さんは、1年以上に及ぶ共演を経て深い信頼関係を築き上げており、それが劇中での阿吽の呼吸に繋がっています。道長の不器用ながらも芯の通った生き様は、本作の重厚なテーマを牽引する力強いエンジンとなっています。
この物語を音楽の面から支えているのが、倖田來未さんによる主題歌「Dangerously」です。誰かの悲しみさえ自分のものにできたら、という歌詞の断片が示す通り、共存への迷いや決意が見事に表現されています。
日常に侵食する脅威と特撮アクションの極致
本作の舞台の一部として団地という日常的な空間が選ばれており、画面のトーンも意図的に暗く設定されているように感じました。見慣れた景色の中に異形が潜んでいるという生々しい演出は、日常と非日常の境界線を曖昧にさせます。
アクションの面では、特撮アクションの第一人者である坂本浩一監督の手腕がいかんなく発揮されています。仮面ライダーギーツIXとドゥームズギーツによる戦闘シーンは、CGと緻密なカメラワークが高度に融合した見ごたえのある仕上がりです。
五十鈴大智がジャマトを保護・育成しているという意外な展開も含め、かつての敵との新しい関係性が描かれます。戦うだけではない、異種族との関わり方の模索が本作の底流には流れています。
悲劇の連鎖と「ゴッドジャマト」誕生の真実
ここからは物語の核心に触れる内容を含みます。本作の中心となるのは、ジャマトでありながら人間を愛したゲストヒロインの葉月(クイーンジャマト)と、人間の間に生まれた息子・春樹の存在です。
彼ら親子の存在は、人間とジャマトの「共存」という理想を体現する希望の光になるはずでした。しかし物語の終盤、その平穏な日常は、人間を激しく敵視する同族のジャマト・蒼斗(キングジャマト)の非情な攻撃によって無残に打ち砕かれます。
人間との共存を望む葉月を「裏切り者」とみなすかのような蒼斗の執拗な暴力により、激しい戦いの中で葉月は致命傷を負わされてしまうのです。
事態を収束させるべく、道長、景和、祢音の3人のライダーは力を合わせ、激闘の末にこの蒼斗を打ち倒します。かつては異なる道を歩み、時には対立すらした3人が共闘する姿は胸を熱くさせますが、その勝利が必ずしも「ハッピーエンド」をもたらすわけではありませんでした。
ヒーローたちが脅威を排除した直後、重傷を負っていた葉月は息を引き取ります。目の前で愛する母を、同じジャマトの手によって理不尽に奪われた春樹の心は、行き場のない悲しみと深い絶望に支配され、その圧倒的な負の感情が彼自身を世界を滅ぼす可能性のある、「ゴッドジャマト」へと変貌させてしまうのです。
ヒーロー作品が提示した「残酷な現実」と賛否両論
息子と同じ時間を生きる一人の親として、愛する者を失い、絶望の淵に突き落とされる春樹の姿には強く胸を締め付けられました。
SNSなどで本作の結末に大きな賛否両論が巻き起こったのは、こうした「救いのない残酷な展開」が理由の一つと言えるでしょう。特撮ヒーロー作品における「敵を倒せば平和が訪れる」というカタルシスを根底から覆し、取り返しのつかない喪失から新たな悲劇(ゴッドジャマト)が生まれてしまうという展開は、多くの視聴者に強い不協和音をもたらしました。
しかし、これこそが制作陣が本作に込めた強烈なメッセージなのだと僕は解釈しています。綺麗事や理想論だけでは、異なる種族の共存は成し得ない。時には誰かが深く傷つき、取り返しのつかない痛みを伴うという「現実の厳しさ」から決して目を背けなかった点に、本作の並々ならぬ誠実さを感じるのです。
ヒーローの力が万能ではない世界で、彼らは春樹の絶望にどう向き合うのか。この痛切な物語の結末は、僕たちが生きる複雑な現代社会における「他者との関わり方」について、いつまでも消えない問いを投げかけてくれます。
痛みを伴う共存の先に僕たちが見る希望
『仮面ライダーギーツ ジャマト・アウェイキング』は、ヒーロー作品の枠を超えて、僕たちに他者との共存の難しさを鋭く問いかけます。決して綺麗事だけでは終わらない、ほろ苦い余韻を残す作品です。
現実社会でも、価値観の異なる相手と理解し合うのは簡単ではありません。それでも、本作の道長のように、痛みを恐れずに一歩を踏み出す勇気を持ちたいものです。
彼らの戦いと決断の軌跡は、少しだけ視界を広げて前へ進むための力を持っています。ぜひ皆さま自身の目で、その覚悟の行方を見届けてみてください。
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Wrote this article この記事を書いた人
yasu
YASU GAME LIFE CHANNELのyasu本人によるブログです。乙女ゲーム好きな実況者です。皆と居心地の良いストレスのない場所を作るのが目標です。今までの動画・ライブ配信のまとめだったり、日々の想いを綴ります。 ※当ブログはアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト含む)を掲載することがあります。