猫になってサイバーパンクな世界を旅する。『Stray』は癒やしと感動の良作レビュー

猫になってサイバーパンクな世界を旅する。『Stray』は癒やしと感動の良作レビュー
この記事はだいたい 9 分前後で読めます。

こんにちは、yasuです。

ふと、日常の喧騒から離れて「別の生き物になってみたい」と思ったことはありませんか。

仕事や家庭の責任を一時だけ下ろして、気ままに路地裏を歩いたり、高い場所から街を見下ろしたりする。そんな空想を、驚くほど高いクオリティで叶えてくれる作品があります。

今回ご紹介するのは、フランスのスタジオBlueTwelve Studioが開発した『Stray(ストレイ)』です。

主人公は、言葉を持たない一匹の猫。迷い込んだのは、人間がいなくなりロボットだけが暮らすサイバーパンクな地下世界です。僕も最初は「猫のかわいさを愛でるだけのゲームかな」と思っていたのですが、プレイを終えた後には、一本の良質な映画を観終わったような深い余韻に包まれました。

アクションゲームが苦手な方や、長大なRPGに疲れてしまった大人のゲームファンにこそ手に取っていただきたい一作です。この不思議な世界の魅力を、僕なりの視点でレビューしていきます。

ある日突然、見知らぬ地下都市へ。言葉の通じない世界での冒険

物語の始まりは、緑豊かな地上です。主人公である猫は、仲間の猫たちと穏やかに暮らしていましたが、移動中のアクシデントにより、遥か下の暗い地下世界へと落下してしまいます。

そこは、太陽の光が届かない、ゴミと廃墟に囲まれた閉鎖的な空間でした。怪我を負い、仲間とはぐれ、心細い状況の中で出会ったのが、記憶を失った小型ドローン「B-12」です。言葉を持たない猫と、物理的な体を持たないドローン。この奇妙なコンビが協力し合い、地上への帰還を目指すのが本作の主なあらすじです。

この世界に暮らしているのは、人間ではなく、モニターの顔を持つロボットたちです。彼らは独自の言語を話し、独自の社会を築いています。本来であれば猫には理解できない彼らの言葉も、B-12が通訳してくれることで、彼らの悩みや歴史を知ることができます。

なぜ人間がいないのか、なぜ空が閉ざされているのか。冒険を進めるにつれて少しずつ明かされていく謎は、SFミステリーとしても非常に質が高く、先が気になってコントローラーを置くタイミングを失ってしまうほどです。言葉が通じない異種族同士が、少しずつ心を通わせていく過程は、見る者の心を温かくしてくれます。

Game stray

社会人の週末プレイに最適。濃密かつ手頃なプレイボリューム

最近のゲームはクリアまでに100時間を超えるような大作も多いですが、忙しい日々を送る私たちにとって、それを完走するのはなかなか骨の折れる作業でもあります。その点、『Stray』のボリューム感は非常に絶妙です。

僕の場合、メインストーリーを追うだけであれば約5時間から6時間程度でエンディングに到達できました。世界の隅々まで探索し、収集アイテムをコンプリートしようとしても、10時間前後で遊びきれるサイズ感です。

「短い」と感じる方もいるかもしれませんが、実際にプレイしてみると、その濃密さに驚かされます。無駄な引き伸ばしがなく、すべてのシーンに意味があり、常に新しい発見が用意されているため、体感としての満足度は非常に高いのです。

週末の休みを利用して一気にクリアすることもできますし、平日の夜に少しずつ進めるのにも適しています。クリア後には心地よい達成感があり、「また次のゲームを遊ぼう」という前向きな気持ちにさせてくれる、大人にとって理想的なボリュームだと言えるでしょう。

本物の猫さながらのアクションと、没入感を高めるゲームシステム

本作の最大の特徴は、やはり「猫そのものになれる」という点に尽きます。

主人公の猫の動きは、開発スタッフが実際の飼い猫を徹底的に観察して作り上げたそうで、そのリアリティは凄まじいものがあります。歩く時のしなやかな背中の動き、高いところに飛び乗る前の予備動作、そして何もせず放置している時に見せる毛づくろい。猫好きの方であれば、その仕草を見ているだけで思わず顔が緩んでしまうことでしょう。

ゲームシステムも独特です。画面上にはHPゲージやミニマップといった表示が一切ありません。そのため、「次はどこに行けばいいのか」と迷うことがあります。しかし、これこそが本作の醍醐味だと僕は感じました。

進むべき場所がわかりにくい場面があったとしても、猫の視点で街をうろうろと歩き回ることで、壁の落書きやロボットたちの生活感溢れる部屋など、作り込まれた世界のディテールに気づくことができます。迷うことがストレスではなく、独特な町の様子を楽しむきっかけになるよう、巧みに設計されているのです。

また、アクションの難易度は決して高くありません。敵から逃げるシーンなど多少の緊張感はありますが、失敗しても直前からすぐにリトライが可能です。複雑なボタン操作も要求されないため、アクションゲームが苦手な方でも、物語や世界観に集中して楽しむことができます。

Game stray

【感想】ただ可愛いだけじゃない。猫の視点で感じる「命」と「絆」の物語

ここからは、実際にプレイして僕が感じたことを綴ります。作品の楽しみを損なわないよう配慮していますが、後半には核心に触れる部分を含みますのでご注意ください。

【ネタバレなしエリア】

まず圧倒されたのは、その空気感です。ネオンサインが輝くサイバーパンクな街並みと、そこを歩く小さな猫という対比が美しく、スクリーンショットを撮る手が止まりませんでした。

カーペットで爪とぎをしたり、足元にすり寄ってロボットを躓かせたりといった「猫らしいいたずら」ができるのも楽しいポイントです。特に、コントローラーには猫が喉を鳴らす振動が手元に伝わってくるため、本当に膝の上に猫がいるような錯覚さえ覚えました。癒やしと冒険が同居する、唯一無二の体験でした。

Warning

ここから先は、物語の核心や展開に関するネタバレを含みます。

未プレイの方は、ここで前のページに戻るか、視聴後に改めてお読みいただくことをおすすめします。

【ネタバレありエリア】

物語の終盤、相棒であるB-12が自らを犠牲にして街の封印を解くシーンは、不覚にも涙腺が緩んでしまいました。最初はただの機械的なガイド役だと思っていた彼が、未来のために「命」を懸ける。その姿は、有機生命体である猫以上に人間らしく感じられました。

最後に天井が開き、青空が見えた瞬間、地下都市に差し込む光の美しさは筆舌に尽くしがたいものがあります。主人公の猫が、静かに地上へと去っていくラストシーン。言葉がないからこそ、その背中が語る「感謝」と「別れ」が痛いほど伝わってきました。単なるハッピーエンドではない、しかし希望に満ちた結末は、大人の心に深く刺さる素晴らしいものでした。

Game stray

総評:猫好きはもちろん、独特な世界観に浸りたいすべての人へ

『Stray』は、猫のかわいさを入り口にしつつ、その実、非常に骨太なSFドラマと探索の楽しさを兼ね備えた名作です。

一匹の猫が不思議な世界観を駆け巡るというコンセプトが見事に具現化されており、猫好きの方はもちろん、「最近ゲームに熱中できていない」と感じている方にも強くおすすめできます。戦闘や育成といった複雑な要素を削ぎ落とし、純粋に「体験」することに特化しているため、普段あまりゲームをしない方でも最後まで走り切れるはずです。

リプレイもしやすいため、気になったシーンを後から見返したり、取り逃がした収集物を探したりと、自分のペースで長く楽しめるのも魅力です。

もし皆さまが、次の休日に何をしようか迷っているなら、ぜひこの小さな猫となって、地下都市の冒険に出かけてみてください。きっと、忘れられない景色と感情に出会えるはずです。

『Stray(ストレイ)』実況 完結!
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Wrote this article この記事を書いた人

yasu

yasu

YASU GAME LIFE CHANNELのyasu本人によるブログです。乙女ゲーム好きな実況者です。皆と居心地の良いストレスのない場所を作るのが目標です。今までの動画・ライブ配信のまとめだったり、日々の想いを綴ります。 ※当ブログはアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト含む)を掲載することがあります。

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