
こんにちは、yasuです。
ハードボイルド・アドベンチャーの金字塔、「探偵 神宮寺三郎」シリーズ。今回は、数あるシナリオの中でもファンの間で隠れた名作と名高い『未完のルポ』についてレビューしていきます。
セガサターンもしくはPS(プレイステーション)で遊べる本作。ゲームアーカイブス版ならPS3、PSPでも遊べる模様です。「未完」というタイトルが示す通り、過去と現在、そして残された想いが交錯する物語は、プレイヤーの胸に深く刻まれること間違いなしです。
本作特有のシステムや、プレイ時間、そして率直な感想をまとめてみました。これから遊ぼうか迷っている方の参考になれば幸いです。
プレイボリューム:短いがゆえの濃密な没入感
まず、プレイ時間についてですが、正直に言えば「短い」と感じるかもしれません。推理しながら進めていく性質の神宮寺三郎シリーズである以上、長編というのはなかなか無理があります。隅々まで遊んでも、もしかしたら10時間程度でクリアまで到達できるかもしれません。近年の大作アドベンチャーゲームのような数十時間に及ぶ壮大な長編を期待すると、少し肩透かしを食らう可能性があります。じっくり時間をかけて腰を据えたい方には、少々物足りなさが残るボリュームと言えるでしょう。
しかし、裏を返せば、それは「無駄な引き伸ばしが一切ない」という最大のメリットでもあります。中だるみすることなく、物語の起承転結が一気に駆け抜けていくため、忙しい社会人でも週末の数時間や寝る前のひとときで、映画一本を見終えたような極上の満足感を得ることができます。サクサク進むテンポの良さは、物語への没入感を途切れさせず、最後まで一気に読ませる力強さに繋がっています。

ゲーム内容:4つの視点が織りなす真実
物語の発端は、ある一人のジャーナリストの失踪から始まります。神宮寺探偵事務所に送られてきたのは、コインロッカーの鍵とメッセージが残された手紙。この鍵と手紙がきっかけで神宮寺三郎は大きな事件に巻き込まれていく。この出来事は、やがて過去の因縁と、隠蔽された真実へと繋がっていきます。
本作の最大の特徴であり魅力は、主人公である神宮寺三郎と、助手の御苑洋子、そしておなじみ熊野警部、さらにはジャーナリストの与野、それぞれの視点を切り替えながら捜査を進める点にあります。単独行動では見えなかった事実が、ザッピングシステムにより多角的に迫る事件の全容として浮かび上がってくる構成は見事としか言いようがありません。
神宮寺がハードに現場を歩き回る一方で、洋子が細やかな気配りで情報を集める。それぞれの頭、そして足を使った捜査が掛け合わさり、点と点が線になる瞬間は、このシリーズならではのカタルシスを感じさせてくれます。複雑なトリック解明よりも、人間関係の機微やドラマ性に重きを置いた内容は、ミステリーファンのみならず、人間ドラマを楽しみたい方にも最適です。

感想:レトロさが生む想像の余地とハードボイルド
実際にプレイしてみて感じたのは、やはりグラフィックや演出面での「古さ」です。最新のゲームのような3Dモデルが動くわけでもなく、派手なカットインやムービーが入るわけでもありません。基本的にはテキストを読み進め、コマンドを選択するだけのクラシックなスタイルです。一部神宮寺三郎を操作する場面もあったりしますが、視覚的な刺激を求める方には、少し地味で退屈に映る場面もあるかもしれません。
けれど、その「静けさ」こそが神宮寺三郎の世界観を際立たせています。派手な演出がない分、プレイヤーはテキストから新宿の雑踏、タバコの紫煙、そして登場人物たちの苦悩を想像力で補完することになります。それはまるで、上質なハードボイルド小説を読んでいる時の感覚に近く、ジャズのBGMが流れる中、テキストの一文字一文字が心に染み入るような体験です。
特に本作のテーマである「未完のルポ」が持つ意味が明らかになった時の切なさは格別です。古いシステムだからこそ、余計なノイズがなく、純粋に「物語」と「感情」に向き合える。不便さが逆に没入感を高めるという、レトロゲーム特有の良さが詰まっています。

総評:色褪せない名作シナリオを今こそ
『探偵 神宮寺三郎 未完のルポ』は、ボリュームの少なさやシステムの古さといったネガティブな側面を持ち合わせているものの、それを補って余りある「脚本の質の高さ」と「キャラクターの魅力」が詰まった作品です。
派手なアクションや難解なパズルはありませんが、大人の鑑賞に堪えうるビターなストーリーを求めている方には、自信を持っておすすめできます。特に、ザッピングシステムによって四人の視点から真実に近づいていく過程は、アドベンチャーゲームとしての面白さを再確認させてくれるでしょう。
短い時間で深い余韻に浸りたい夜、神宮寺三郎と共に新宿の街へ繰り出してみてはいかがでしょうか。
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Wrote this article この記事を書いた人
yasu
YASU GAME LIFE CHANNELのyasu本人によるブログです。乙女ゲーム好きな実況者です。皆と居心地の良いストレスのない場所を作るのが目標です。今までの動画・ライブ配信のまとめだったり、日々の想いを綴ります。 ※当ブログはアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト含む)を掲載することがあります。