
こんにちは、yasuです。
ゲームの歴史には、安価ながらも強烈な個性を放つシリーズが存在します。その代表格とも言えるのが「パンドラマックスシリーズ」です。今回はその第2弾、『死者の呼ぶ館』を取り上げます。
パンドラマックスシリーズ第2弾で、前作からガラッとジャンルを変えてきた本作は、当時のプレイヤーたちを良い意味で困惑させました。アドベンチャーRPGだった前作から一転、本作はホラーアドベンチャとなっています。
一見するとB級ホラーのようでありながら、噛めば噛むほど味がするスルメのような魅力を持つ本作。不親切ささえも演出の一部と感じさせる、あの時代の独特な空気感を振り返っていきましょう。
典型的なようで底が知れないあらすじ
物語の始まりは、ホラー映画の王道とも言えるシチュエーションです。主人公は不動産会社の新入社員「秋山圭介」。「別荘見学ツアー」に顧客を連れていくところから物語は始まります。しかし、突如として激しい嵐に見舞われ、あろうことか車が故障してしまいます。最寄り駅へ到着し、探せど探せど別荘は見つかりません。山奥へ迷い込んだ一行は、遭難しかけたところ、森の中にひっそりと佇む不気味な洋館を見つけました。
館の主人は快く彼らを迎え入れてくれますが、どこか様子がおかしい。館に漂う暗い雰囲気、奇妙な住人、そして夜が更けるにつれて起こり始める不可解な現象。単なる遭難から始まった一夜は、やがて命を懸けた脱出劇へと変貌します。
ここまではよくある話と思われるかもしれませんが、本作の真骨頂はここからです。プレイヤーの選択次第で、物語は予想もしない方向へと分岐していきます。時には狂気の世界へ、時にはシュールな笑いの世界へ。ただのホラーでは終わらせない、脚本の執念深さを感じずにはいられません。館の謎が解き明かされるにつれ、当初感じていた恐怖の種類が変化していく様は圧巻です。

価格以上の密度を誇るゲームボリューム
当時の定価で2000円前後という低価格シリーズであるため、一回のプレイ時間は決して長くはありません。現代の超大作RPGのように何十時間も拘束されることはなく、サクッと遊べるサイズ感です。しかし、これを「ボリューム不足」と断じるのは早計です。
このゲームの本質は、繰り返しのプレイにこそあります。一度のクリアだけでは、館の全貌はおろか、物語の断片しか理解できません。用意されたエンディングの数は膨大であり、すべての結末を目撃しようとすれば、そのプレイ時間はフルプライスのゲームにも匹敵する密度となります。
一回のプレイ時間はさほど長くはありませんが、濃密なイベントとフラグ管理が詰め込まれています。短時間で周回できる手軽さは、忙しい現代人にとってむしろ大きなメリットと言えるでしょう。同じ選択肢を選ぶことになりますが、そのたびに異なる展開が待っているため、作業感を感じさせない工夫が凝らされています。コンパクトな中に無限の迷宮が広がっているような、不思議な満足感を得られる作品です。

不自由さが恐怖を煽るゲーム内容
システムはオーソドックスなホラーアドベンチャーです。現代のような滑らかな操作性は望むべくもなく、一歩一歩踏みしめるようにする選択は、プレイヤーにもどかしさを与えます。しかし、この「思うように動けない」感覚こそが、本作のホラー演出として機能しています。
背後に気配を感じてもすぐに振り向けない恐怖。扉を開ける際の一瞬のタメ。それらすべてが、プレイヤーの心拍数を上げるスパイスとなって、常に緊張感を強いられます。
グラフィックに関しては、PlayStation初期特有の粗さが目立ちますが、それが逆にリアリティを曖昧にし、想像力を掻き立てる不気味さを生み出しています。高精細なグラフィックでは表現できない、生理的な嫌悪感や不安感を煽る独特なテクスチャは芸術的です。
また、しっかりとホラーの軸はありつつも、独特な世界観を感じることのできる作品である点も見逃せません。探索を進めると遭遇する数々のトラップや、意味不明なメッセージ。これらはバグや調整不足ではなく、狂った館の世界観を表現するための意図的な演出と捉えることができます。プレイヤーを突き放すような厳しさが、攻略への意欲を逆に燃え上がらせるのです。

狂気と理性が交差する感想
実際にプレイを通して感じたのは、製作者たちの「プレイヤーを驚かせたい」という純粋かつ歪んだ情熱です。ホラーゲームとして構えてプレイを始めましたが、次第にその枠組みを超えた、奇妙な体験をしていることに気づかされました。
特に印象的なのは、シナリオの振れ幅です。背筋が凍るようなシリアスな展開から、思わず乾いた笑いが漏れるようなナンセンスな展開まで、そのギャップに翻弄されます。何が正解で何がバッドエンドなのか、その境界線が曖昧になっていく感覚は、まさに悪夢の中にいるようです。
正直なところ、フラグ立ての難解さには頭を抱える場面もありました。攻略情報なしでは到達不可能なルートも存在し、不親切極まりない仕様だと感じる瞬間もあります。しかし、その理不尽な壁を乗り越え、隠された真実に辿り着いた時のカタルシスは、親切設計の現代ゲームでは味わえない麻薬的な快感があります。
このゲームは単なるホラーではなく、プレイヤーの忍耐と探究心を試す挑戦状のようなものです。粗削りな部分も含めて愛おしくなる、そんな不思議な引力を持った作品でした。
総評とこれからプレイする皆さまへ
『死者の呼ぶ館』は、洗練された傑作とは言い難いかもしれません。操作性は古くさく、望むエンディングへ到達する難易度は高く、グラフィックも粗い。しかし、それらすべての要素が奇跡的なバランスで組み合わさり、唯一無二の「パンドラマックス」というジャンルを確立しています。
ホラー好き、レトロゲーム好き、そして何より「普通のゲーム」に飽きてしまった方には、ぜひ一度手にとっていただきたい作品です。不便さを楽しむ余裕を持てば、この館は最高のエンターテインメントを提供してくれます。
最後になりますが、前作に引き続き、全てのエンディングを見るのは至難の業ですが、僕のyoutubeチャンネルでは全て回収しております。良かったら見てほしいと思います。自力でのコンプリートに心が折れそうな時、あるいはあの狂気の世界の全貌を知りたい時は、ぜひ動画を参考にしてください。
皆さまの来訪を、館の住人たちは手ぐすね引いて待っています。
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Wrote this article この記事を書いた人
yasu
YASU GAME LIFE CHANNELのyasu本人によるブログです。乙女ゲーム好きな実況者です。皆と居心地の良いストレスのない場所を作るのが目標です。今までの動画・ライブ配信のまとめだったり、日々の想いを綴ります。 ※当ブログはアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト含む)を掲載することがあります。