映画『ひらいて』ネタバレ考察|山田杏奈が魅せる歪な愛と、心をひらくためのヒント

映画『ひらいて』ネタバレ考察|山田杏奈が魅せる歪な愛と、心をひらくためのヒント
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こんにちは、yasuです。

誰かを好きになりすぎて、自分でもコントロールできない感情に振り回された経験はありませんか。思い通りにならない現実に苛立ち、どうしようもない孤独を感じる夜は、きっと誰にでもあるはずです。でも、その心の奥底で渦巻く強い感情や執着は、決して悪いものではありません。自分と向き合い、ほんの少し見方を変えるだけで、新しい一歩を踏み出すための大きな力に変わるからです。

今回ご紹介するのは、綿矢りささんの小説を原作とし、首藤凜監督が実写化した映画『ひらいて』(2021年)です。山田杏奈さんが主演を務める本作は、キラキラした爽やかな青春映画ではありません。若さゆえの暴走や、深すぎる愛情、そして心の奥に秘めたドロドロとした情念がむき出しになっていく様を描いた、とても人間臭くて引き込まれる作品です。

この記事では、映画のあらすじや見どころ、そして結末の考察までを分かりやすくお伝えします。人間関係や叶わない思いに悩む方の心が少しでも軽くなり、前を向くきっかけになれば嬉しいです。

完璧に見える少女と、交わらない切ない三角関係

物語の中心となるのは、同じ高校に通う三人の男女です。誰もが羨むような存在の女子高生と、彼女がどうしても気になってしまう地味な男子生徒、そして彼が密かに愛する大人しい女子生徒。この三人の、どこか歪で切ない三角関係が描かれます。

山田杏奈さん演じる主人公の木村愛は、明るくて成績も良く、クラスの中心にいるような女の子です。先生からの信頼も厚く、一見すると何も不自由のない完璧な存在に見えます。しかし、彼女の心の底には「何かが決定的に足りない」という空虚さと、周りを自分の思い通りにしたいという強い欲求が隠れていました。本当の自分を見せられる相手がおらず、孤独を抱えていたのです。

そんな愛が唯一、自分の思い通りにならない存在として強烈に惹かれているのが、作間龍斗さん演じる西村たとえです。彼は教室の隅で静かに本を読んでいて、人気者の愛には見向きもしません。誰もが自分を見てくれるのに、彼だけは見てくれない。だからこそ愛はたとえに執着し、彼を自分のものにしたいという感情を募らせていくのです。

そして、芋生悠さん演じる新藤美雪は、たとえが密かに付き合っている恋人です。持病を抱えていて儚げな美雪ですが、実は愛の激しい感情すらも受け止めてしまうような、とても深く優しい心の持ち主です。この三人が交わることで、物語は予想もつかない方向へ進んでいきます。

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破壊衝動から始まる、危うい接近

ある日、愛はたとえが大事にしている手紙を偶然見てしまい、彼が目立たない美雪とこっそり付き合っていることを知ります。自分には全く振り向いてくれないたとえが、自分より劣っていると見下していた美雪には優しい愛情を注いでいる。その事実は、愛のプライドを粉々に打ち砕きました。

ここで愛の中にある感情が爆発します。それは単なる失恋の悲しみではなく、二人の親密な関係を壊してしまいたいという危うい衝動でした。愛はたとえの心を奪うため、そして二人の仲を割くために、わざと美雪に近づいて友達になります。

持ち前の明るさで美雪の心にすっと入り込み、彼女が一番安心できる場所にまで土足で踏み込んでいく愛。優しい言葉をかけながら、少しずつ美雪を自分に依存させていく様子は、見ていてハラハラするかもしれません。しかし、自分の存在を認めてほしくて必死にもがく愛の姿は、見方を変えれば、それだけ一生懸命に生きている証拠でもあります。自分の中の黒い感情から目を背けずにぶつかっていく彼女の熱量は、僕たちが生きていく上で忘れがちな、強いエネルギーを思い出させてくれます。

誰もが抱える「弱さ」と「強さ」の本当の意味

この映画が僕たちに投げかけているもう一つのテーマは、「本当の強さとは何か」ということです。一見すると、成績も良く自信に満ち溢れている愛が「強い」人間で、病気を抱えて大人しい美雪が「弱い」人間のように思えます。

しかし物語が進むにつれて、その見方は少しずつひっくり返っていきます。愛は自分の弱さから目を背け、他人をコントロールすることでしか自分を保てませんでした。一方で美雪は、自分の病気や置かれている状況を受け入れ、他人の痛みに寄り添う圧倒的な心の広さを持っていたのです。

僕たちはつい、目に見えるステータスや強気な態度を「強さ」だと勘違いしてしまいます。しかし、自分の弱さや不格好な部分を認め、それをごまかさずに生きていくことこそが、本当の意味での「強さ」なのだと、美雪の存在が教えてくれます。

Warning

ここから先は、物語の核心に触れるネタバレが含まれます。

まだ作品をご覧になっていない方は、ここで前のページに戻るか、視聴後に改めてお読みいただくことをおすすめします。

エスカレートする思いと、冷たい現実

美雪への接近はさらにエスカレートし、愛は美雪の家に泊まりに行き、彼女にキスをします。これは美雪のことが好きになったからではなく、たとえが愛している美雪の体を自分のものにすることで、間接的にたとえを支配しようとする、とても不器用で歪んだ愛情表現でした。

一方で、たとえと美雪は、愛の知らないところで重い現実を抱えていました。たとえは父親からひどい暴力を受けており、二人はその過酷な環境から逃れるために、一緒に東京の大学へ進学する約束をしていました。愛は、たとえが父親に殴られ、美雪からの手紙を破られる決定的な場面を目撃してしまいます。それでも愛は暴走を止められず、二人の手紙をこっそり盗み見ては、自分が絶対に入れない美しい世界に打ちのめされるのでした。

そして、愛は教室でたとえに自分の思いのすべてをぶつけます。これまで隠してきた狂気じみた行動も、どれだけ彼を求めていたかも。しかし、たとえの反応は冷酷なものでした。愛を完全に拒絶したのです。「他人は自分の思い通りにはならない」という残酷な現実を、愛はここで初めて突きつけられます。

本当の自分を「ひらく」ということ

すべてが壊れてしまったように見える結末ですが、物語はここで終わりません。愛は、机の中にあった美雪からの手紙を読みます。そこには、愛が必死に隠していた本性や心の痛みを、美雪がすべて見透かし、静かに受け止めてくれている言葉が綴られていました。

周りの誰も本当の愛を見ていなかった中で、愛が一番見下し、傷つけようとしていた美雪だけが、愛の歪んだ心や孤独を深く理解してくれていたのです。その事実に気づいた愛は教室を飛び出し、美雪のもとへ走ります。「また一緒に寝ようね」と声をかける愛の表情は、以前の支配的なものではありませんでした。

ずっと心に鎧を着て強がっていた愛が、自分の本当の姿を認めてくれた相手に対して、初めて素直に心を「ひらいた」瞬間です。この映画のタイトルである『ひらいて』は、他人の心を無理やりこじ開けることではなく、固く閉ざしていた自分の心を開き、ありのままの自分を他者に見せることの大切さを教えてくれます。

痛みを越えて、新しい一歩を踏み出す皆さまへ

自分の思いが届かなかったり、人間関係で深く傷ついたりすると、どうして自分ばかりがこんな目に遭うのだろうと落ち込んでしまうことがありますよね。愛のように、自分の醜い感情に嫌気がさして、心を閉ざしたくなることもあると思います。

でも、そうやって傷つき、心が砕け散るような経験は、決して無駄にはなりません。思い通りにならない現実を知り、自分の弱さを認めることで、人は初めて新しく生まれ変わることができるからです。愛が最後に素直な心を取り戻したように、痛みを知ることは、誰かに優しくなれる準備でもあります。

もし今、皆さまが人間関係の悩みや、どうしても手放せない思いに苦しんでいるなら、その感情をどうか否定しないでください。それは、皆さまが自分の殻を破り、新しい世界へ向かって心を「ひらく」ための大切なエネルギーです。自分の痛みを抱えたまま、少しだけ勇気を出して心を開いてみれば、きっと今よりも温かくて、希望に満ちた明日が待っているはずです。

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Wrote this article この記事を書いた人

yasu

yasu

YASU GAME LIFE CHANNELのyasu本人によるブログです。乙女ゲーム好きな実況者です。皆と居心地の良いストレスのない場所を作るのが目標です。今までの動画・ライブ配信のまとめだったり、日々の想いを綴ります。 ※当ブログはアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト含む)を掲載することがあります。

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